大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和29(あ)4015 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人中島万六の上告趣意第一点の一、二は、いずれも法令違反の主張を出でな

いものであつて、刑訴四〇五条の上告理由に当りない。また記録を調べても同四一

一条を適用すべきものとは認められない(原判決は、「覚せい剤取締法一五条一項

の禁止に違反し覚せい剤を製造する罪は、殺菌した水に原料たるメチルプロバミン・

カフエンおよび食塩を加えて溶解したときに既遂となり、更に進んでこの溶液をア

ンプルに詰めることを必要しない」とした昭和二七年(う)一三三九号同年六月二

三日東京高裁第六刑事部判決(高刑集五・六・九八二頁)の趣旨に従い、中島弁護

人の控訴趣意第一点について、所論のような判示をしたものと認められる。ところ

で、当裁判所の判例は、「覚せい剤取締法にいわゆる覚せい剤の製造とは、覚せい

剤の原料から化学的方法により覚せい剤を製出し、または化学的変化を伴わないで

調合または混合してこれを製剤する場合は勿論、かかる製品を小分けして容器に納

め封緘を施し、覚せい剤の施用機関または研究者に譲り渡すに適する状態に製作す

る場合をも含むものと解するのを相当とする」と判示して、覚せい剤の製造の意義

を広く解釈しており(昭和二八年(あ)一一八〇号同年一〇月二二日第一小法廷決

定、集七・一〇・一、九五二頁)右当裁判所の判例によると、被告人の本件所為は

覚せい剤の製造にあたることが明らかであるから、控訴を棄却して第一審判決を是

認した原判決は結局において正当である。

なお、原判決が、中島弁護人の論旨第二点について判示しているところは、正当

であると認められる)。

よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお

り決定する。

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昭和三一年一〇月一六日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 島 保

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 垂 水 克 己

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